確定申告の期限は、毎年2月16日から3月15日までです。
しかし期限を過ぎても確定申告を受け付けてもらえるので、できるだけ早めに行いましょう。
この記事では、確定申告や還付金の申請期限が過ぎたときの対処法やペナルティを解説します。
確定申告の提出方法も紹介するので、初めての確定申告で悩んでいる人はぜひご覧ください。
確定申告の期限が差し迫っている、またはすでに過ぎているなら、税理士に丸投げする方法もあります。
たとえ過去に無申告があっても、税務調査に強い税理士がしっかりとサポートします。
税務調査が怖い、無申告が気になって仕事に集中できない人は、まずは下記よりメールや電話相談に申し込みましょう。
\確定申告をまるっとおまかせ!/
※本記事の投稿時点(2023年12月)の法令・情報に基づいて作成しました。
その後の法改正等に対応していない可能性がありますので予めご了承ください。
※万が一掲載内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当方は一切責任を負いません。
確定申告の期限を過ぎても税務署に期限後申告が可能
結論を言うと、確定申告の期限を過ぎても管轄の税務署で申告ができます。
これを期限後申告と言います。
通常の期限内申告と呼び方は異なりますが、確定申告のやり方に違いはありません。
民間の会計サービスや国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを使えば、簡単に確定申告書を作成できるので活用しましょう。
なお期限後申告をするなら、3月15日から1ヶ月以内に済ませるのがおすすめです。
期限後申告には後述するいくつかのペナルティが課せられますが、1ヶ月以内に自主的に申告を行えば一部罰則の回避ができます。
また確定申告によって税金の還付が受けられるなら、多少のペナルティを被ってもやる価値があります。
\いくら還付を受けられるか確認してみましょう!/
確定申告の期限が過ぎたときに発生するペナルティ
期限内に確定申告を行わなかった場合、以下のペナルティが課せられます。
- 無申告加算税
- 延滞税
- 青色申告特別控除の減額
上記のうち、無申告加算税と延滞税は早く確定申告を行うことで軽減できます。
それぞれの意味や計算方法を見ていきましょう。
なお確定申告の無申告はバレます。
下記の記事では無申告がバレる理由を詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
無申告加算税
無申告加算税とは、期限内に確定申告を行わなかった際に追加で課せられる税金です。
金額は納税すべき税額によって変わり、具体的には以下の通りです。
- 50万円までの部分は15%を乗じた額
- 50万円を超える部分から300万円までは20%を乗じた額
- 300万円を超える部分には30%を乗じた額
例えば、納税額が80万円だった場合の無申告加算税は以下のように計算します。
50万円×15%+30万円×20%=13万5,000円
加えて、令和6年以降に期限を迎える確定申告(令和5年分以降)においては、罰則が追加されます。
追加の罰則は以下の通りです。
ケース | 罰則 |
---|---|
①税務調査等で帳簿の提出・提示を求められた際に、帳簿を提出しなかった場合および、帳簿の売上金額が本来の半分未満だった場合 ②帳簿の売上金額が本来の2/3未満だった場合 |
①納税額の10%を加算 ②納税額の5%を加算 |
①期限後申告をした際、申告日の前日から5年前の間に、無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合。 ②期限後申告の前年分・前々年分の所得税について、無申告加算税や重加算税を課せられたことがある、または課せらると発覚した場合。 |
①②納税額の10%を加算 |
参照元:国税庁|確定申告を忘れたとき
なお税務署の調査を受ける前に期限後申告を行えば、無申告加算税は5%に減額されます。
ただし、調査の事前通知を受けてからの期限後申告では、本来の税率からそれぞれ5%引かれた金額になります。
無申告加算税が課せられないケースもある
期限後申告であっても、以下の条件をすべて満たせば無申告加算税が課せられません。
- 法定期限から1ヶ月以内に自主申告をした
- 期限後申告で納付すべき税額を法定納期限までに納付した
- 過去5年間、無申告加算税または重加算税を課せられたことがない
つまり確定申告を忘れたことに悪意がなく、速やかに対処したと判断された場合は課税がされないと解釈できます。
上記に加え、無申告加算税が5,000円未満であるときも、支払いが免除されます。
国税通則法第119条に、5,000円未満の加算税は切り捨てると定められているためです。
確定申告を忘れても、ペナルティを回避できる手段があるため、気づいたら早めに行うのが吉です。
延滞税
延滞税とは納税が期限までにされなかった際に、延滞した日数に応じてかかる税金です。
無申告加算税が金額に対するペナルティなのに対し、延滞税は日数に対するペナルティです。
個人事業主の場合、所得税の納期限は毎年3月15日、消費税・地方消費税の納期限は毎年3月31日。
期限後申告をしたときは、申告日が納付日です。
令和4年分の延滞税の金額は、原則次のように計算します。
延滞日数 | 計算式 |
---|---|
①延滞日翌日から2ヶ月まで | 本来の納税額×7.3%または特例基準割合+1%いずれか低い方×延滞日数÷365日 |
②延滞日翌日から2ヶ月以降 | 本来の納税額×14.6%特例基準割合+1%いずれか低い方×延滞日数÷365日 |
参照元:国税庁|延滞税の計算方法
延滞が2ヶ月以内なら①のみ、2ヶ月以上に渡るときは①と②の合計額が延滞税の金額です。
特例基準割合とは前々年の9月から前年の8月までの各月における、銀行の新規短期貸出約定平均金利を元に計算した割合です。
令和4年分の特例基準割合は、①が2.4%、②が8.7%でした。
そのため延滞税の計算には、多くのケースで特例基準割合が適用されることになります。
延滞税計算は国税庁のページにて計算できます。
延滞税は延滞するほど金額が高くなるので、早めに納付しましょう。
青色申告特別控除が10万円になる
確定申告を期限内に行わないと、青色申告特別控除が10万円に減額されます。
確定申告で青色申告をすると原則55万円、e-Taxを使う場合は65万円が所得から控除されます。
しかし55万円および65万円の控除を受けるには、確定申告を期限内に行うことが条件です。
そのため期限に遅れると要件外となり、控除額が10万円に減額されます。
例えば所得税率が10%で、e-Taxを使って提出する人は、期限に遅れるだけで所得税が5万5,000円(55万円×10%)高くなります。
増えた分の課税所得は無申告加算税の計算にも影響を与えるので、確定申告は期限内に行うに越したことはありません。
\ギリギリでも間に合う!/
やむを得ず確定申告が遅れるなら期限延長申請をしよう
災害や重傷病など、不可抗力により確定申告が期限内にできないときは、申請をすれば期限を延長できる可能性があります。
具体的には個別延長と言い、管轄の税務署に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出すれば、審査の上延長が認められます。
確定申告後に内容の間違いに気づいたときの対処法
一度確定申告を行った後、内容の間違いに気づいたときは、内容の修正ができます。
期限内と期限後では手続きの方法や税額の計算方法が異なるため、それぞれのケースにおける手順を見ていきましょう。
なおそれぞれの詳しい申請方法は以下の記事で解説しているので、併せてご覧ください。
期限内なら訂正申告をする
まだ確定申告の期限内であれば、再度正しい内容の確定申告書を作成し、期限までに提出すれば問題ありません。
このときの納める税金や還付される税金は、再提出後の確定申告書に記載された金額になります。
すでに還付を受けている場合は、本来受け取るべき還付金との精算手続きも必要です。
なお訂正申告をすると、還付金の振り込みが遅れる場合があります。
期限後に税額の過剰申告を訂正するなら更正の請求
期限後に本来納める税額より多く申告していたり、還付金を少なく申請していたりしたことに気づいたら、更正の請求を行いましょう。
例えば、計算間違いにより売上を実際よりも多く計上していた、社会保険料控除や生命保険料控除をし忘れていたケースが挙げられます。
更正の請求をするには、確定申告書等作成コーナーで更正の請求書を作成して提出します。
更正の請求の期限は、法定申告期限から5年間です。
請求が認められると、払いすぎた税金の還付を受けられます。
なおこのケースでは本来納める税金は支払っているため、更正の請求をしなくても特にペナルティはありません。
期限後に税額の過少申告を訂正するなら修正申告
期限後に税額を過少申告していることに気づいたら、修正申告をしましょう。
修正申告をするには「申告書第一表」と「申告書第二表」を管轄の税務署に提出します。
それぞれ確定申告書等作成コーナーで作成できます。
修正申告のペナルティは、税務署からの調査を受ける前と後で重さが変わるため、早めに行いましょう。
税務署の調査を受けた後で修正申告をすると、後述する過少申告加算税が課せられますが、調査を受ける前に申告すれば免除されます。
ただし修正申告は期限後の申告のため、延滞税が追加でかかります。
さらに無申告だった場合は無申告加算税もかかるため、間違いに気づいたら速やかに申告しましょう。
\修正申告もおまかせできる!/
他にもある!確定申告で不正をしたときのペナルティ
確定申告の内容を間違えたときや、意図的にごまかしたことが発覚した場合、これまで解説したもの以外にも以下のペナルティを課せられることがあります。
- 税務調査後の修正申告・更正:過少申告加算税
- 意図的な過少申告・隠ぺい:重加算税
- 税務調査での住民税の徴収
それぞれの計算方法とともに見ていきましょう。
税務調査後の修正申告・更正には過少申告加算税が課される
税務調査後の修正申告・税額の更正には、過少申告加算税が課せられます。
過少申告加算税の金額は、原則追加で納める税額の10%です。
ただし当初申告した納税額と、50万円のうちどちらかを超えている部分については、その金額の15%になります。
例えば当初申告した税額が40万円で、追加の納税額が30万円(計70万円)だったとしましょう。
このとき、当初の申告額である40万円は50万円を下回っているため、差額のうち10万円には10%の加算税が課せられます。
50万円を超えた部分の、残りの20万円には15%の税率が適用されるため、このケースで払う過少申告加算税は10×10%+20万円×15%=4万円です。
ただし税務調査の事前通知後、調査が来る前に修正申告をした場合は、50万円までは5%、50万円を超える部分は10%に減額されます。
無申告加算税と同様、5,000円未満は切り捨てのため課税されません。
参照元:国税庁|確定申告を間違えたとき
意図的な過少申告には重加算税が課せられる
税金をごまかそうとして、意図的に所得を隠したことが発覚すると、重加算税が課せられます。
仮装隠ぺいと認められるケースには、以下が挙げられます。
- 意図的に会計時期をずらす
- 存在しない会社との取引による経費の水増し
- 帳簿や領収書の破棄や改ざん
重加算税の金額は、以下の通りです。
- 過少申告加算税・不納付加算税に代わり35%
- 無申告加算税に代わり40%
例えば実際よりも500万円税額を過少申告していたら、過少申告加算税に代わる重加算税として175万円を支払わなければなりません。
上記だけでも重いペナルティであることに加え、過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課されたことがあると、さらに10%が加算されます。
つまり重加算税率は最高で50%になり、不正をした金額が大きいほど税負担も重くなるのです。
加えて納税が遅れた分の延滞税もかかり、課税されたときの負担の大きさは想像に難くありません。
「5年以内の無申告・重加算税を課されたことがある」という条件から、5年以内に再度税務調査が来る可能性も考えられます。
重加算税を一度課されると、重加算税の履歴がある事業者として別管理され、再び税務調査に入られる可能性が高くなります。
重加算税はペナルティの中でも特に重いものであるため、なんとしても避けるべきです。
税務調査では住民税も徴収される可能性がある
もし税務調査が来た場合、所得税だけでなく住民税も一緒に徴収される可能性があります。
住民税の税額は確定申告で申告された所得によって決まるため、確定申告を行わないことは住民税の申告や納税もしていないことになるためです。
住民税にも延滞税がかかるので、滞納するほど支払いは重くなります。
このように、確定申告をしないと大きなペナルティが待っています。
「収入が増えてきて無申告分の税務調査が怖い」
「無申告が何年か続いており、いつ税務調査が来るか毎日怯えている」
と悩んでいる人は、おまかせTAX檜垣昌幸税理士事務所に相談しましょう。
元国税調査官を顧問に迎える、税務調査に強い税理士が確定申告の不安を解消します。
税務調査を想定した確定申告ができるため、不安を持つことなく仕事に専念できるようになります。
領収証や請求書がなくても経費として認められる方法も教えてくれるので、ぜひ以下より税理士に相談しましょう。
\確定申告ならプロにおまかせ!/
期限内に納税ができないときの対処法
所得税の納期限は、確定申告と同じ毎年3月15日です。
消費税の納税義務がある個人事業主は、毎年3月31日までに消費税も納めなければなりません。
期限内の納税が厳しいために、確定申告にも二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか。
納税についても、確定申告と同じく申請をすれば猶予や延納が可能です。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
やむを得ない事情があれば猶予制度を利用する
個人の責任によらない災害に見舞われたときや、納税によって事業の継続が難しくなるときは、猶予制度を利用しましょう。
猶予制度を利用すると、1年まで納税が猶予されます。
納税者の支払い能力に応じて、猶予期間中の分納または1年間の据え置きのどちらかの納税方法が適用されます。
申請には「換価の猶予申請書」または「納税の猶予申請書」のどちらかの提出が必要です。
それぞれスマホ版e-TaxソフトまたはPC版e-Taxソフトで作成できます。
猶予制度を利用すると、延滞税の一部または全部が軽減されるメリットもあるので、無申告よりもダメージが少ないです。
申請書類の提出期限は法定納期限から6ヶ月以内のため、まだ納税をできていない人は速やかに提出しましょう。
参照元:国税庁|国税を一時に納付できない方のために猶予制度があります
全額の納税が厳しい場合は延納制度を利用する
一度に全額を納税するのが難しい場合は、延納制度を利用しましょう。
延納制度では、納期限までに税額の半分を納めていれば、残りの納期限を同年5月31日まで延長ができます。
その際、年0.9%の利子税がかかるため、本来の納税額より高くなる点には留意が必要です。
延納の手続きは確定申告と同時にできます。
確定申告書作成コーナーを利用する場合は「延納届出額(63)」欄に延納したい金額(納税額の1/2以下)を入力します。
還付金の申請は翌年1月1日から5年間可能
還付金の申請をする人は、翌年1月1日から5年間までならいつでも申請が可能です。
通常は確定申告が不要な給与所得者でも、還付申告をすることで納めすぎた所得税の還付を受けられます。
確定申告によって還付を受けられる例は、以下の通りです。
- 源泉徴収額を納めすぎており、かつ年末調整を受けていないとき
- 住宅ローン控除を受けたいとき
- 医療費控除を受けたいとき
- ふるさと納税を利用し、所得控除を受けたいときなど
もし当年度の申告期限を過ぎてしまっても、諦めるのはまだ早いです。
5年までならさかのぼって請求ができるので、申告し忘れている還付金がないか確かめましょう。
確定申告の提出方法
確定申告は、以下の3つの方法で提出ができます。
- 税務署の窓口で提出
- 郵送
- e-Tax
それぞれの提出方法やメリットを解説します。
税務署の窓口で提出する
税務署の窓口で書類を作成・提出する方法は、昔からあるオーソドックスな方法です。
税務署で提出するメリットは、職員に確定申告の相談ができるため、初めての人でも安心して確定申告を進められることです。
ただし確定申告期間中は、税務署が大変混み合います。
税務署の開庁日は平日8:30〜17:00まで、入場整理券の配布は16:00までです。
場合によっては後日の来庁を促されることもあるので、時間には余裕を持って訪れましょう。
なお土日祝は閉庁していますが、時間外収受箱に投函することで確定申告書の提出が可能です。
一部の税務署では2月の第3・第4日曜日に限り、確定申告の相談や提出を受け付けているところもあります。
参照元:国税庁|税務署の開庁時間
郵送で提出する
税務署に直接訪れなくとも、郵送での提出もできます。
郵送する際は、第一種郵便物または信書便物として送付しましょう。
郵送するときは、提出期限に注意が必要です。
郵送する場合の確定申告書の提出日は、消印が押された日です。
消印とは郵便物を取り扱った日を証明するスタンプのこと。
例えば3月15日に消印が押され、3月17日に書類が税務署に届いたとしたら、3月15日が提出日とみなされ期限に間に合ったことになります。
ただしポスト投函日に消印が押されるとは限らないため、日付には余裕を持って提出しましょう。
送付先の税務署の住所は、国税庁の検索ページで調べられます。
e-Taxで提出する
e-Taxとはオンラインで確定申告書を作成・提出する方法です。
e-Taxで確定申告を行うと、青色申告特別控除が55万円から65万円にアップします。
また自宅にいながら確定申告を終わらせられるので、最も便利でお得な方法でもあります。
e-Taxを使って確定申告をする手順は、以下の通りです。
- 利用者識別番号を取得する
- 電子証明書を取得する
- 会計ソフトや確定申告書作成コーナーで確定申告書を作成する
- 書類データを送信する
利用者識別番号の取得には、マイナンバーカードとスマホがあれば、読み込ませるだけなので便利です。
詳しい手順についてはe-Taxのホームページをご覧ください。
\やり方がわからない人は必見/
確定申告が必要な人
確定申告が必要な人は、以下の通りです。
- 個人事業主(フリーランス)
- 年末調整を受けていない給与所得者
- 給与収入が2,000万円を超える人
- 副業所得が年間20万円を超える人
- 株・FX・不動産取引で一定以上の利益がある人
- 公的年金等の収入が400万円を超える人
給与所得者でも確定申告が必要な人がいるため、以下に当てはまっている人は準備を進めましょう。
個人事業主・自営業者
年間の所得が48万円以上の個人事業主は、確定申告が必要です。
48万円とは基礎控除の金額であり、所得2,400万円以下の人なら全員がこの金額を所得から控除されます。
確定申告をすると以下のような控除を受けられるため、さらに税負担を抑えることが可能です。
- 健康保険料や年金保険料などの社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 青色申告特別控除(青色申告をする人)
年間の所得が48万円未満でも、取引先から源泉徴収されている人は、確定申告によって還付金を受け取れる場合もあります。
なお開業直後などで赤字だった人も、青色申告での確定申告をした方が良いです。
青色申告をすると3年間分の赤字を繰り越せるため、翌年以降の黒字分も相殺できます。
確定申告をすると様々なメリットがあるため、収入が少ない人でも行うのがおすすめです。
年末調整を受けていない会社員・アルバイト
年途中の退職や個人・会社の事情によって、年末調整を受けなかった会社員やアルバイトは、自分で確定申告をする必要があります。
給与所得者は確定申告の代わりに、会社が年末調整をしてくれることで、所得税を正しく納税しています。
そのため年末調整を受けなかった人は、会社勤めであっても確定申告をして所得税を申告・納税しなければなりません。
注意が必要なのは、アルバイトの掛け持ちをしている人です。
年末調整は1つの勤務先からしか受けられません。
そして年末調整を受けなかったアルバイト先からの所得が20万円を超えている場合には、確定申告が必要です。
一番給与を受け取っている会社で行えば、掛け持ちしていても確定申告をしなくてよくなる可能性があります。
アルバイトと確定申告については、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
給与収入が2,000万円を超える会社員
給与収入が2,000万円を超える会社員は、年末調整を受けられず自分で確定申告が必要です。
年収2,000万円を超えると会社側で年末調整をする必要がなくなりますが、源泉徴収による天引きはあります。
そのため確定申告をして正確な所得税を自分で納めないと、納税を怠ったとしてペナルティを受けたり、払いすぎた税金の還付を受けられず損をする可能性があります。
インセンティブを受け取っている営業社員で、年収が2,000万円に達するか分からないケースもあるはずです。
自分が年末調整の対象か分からない人は、会社の担当部署に確認しておきましょう。
副業所得が年間20万円を超える人
会社員であっても、副業所得が年間20万円を超える人は確定申告が必要です。
ポイントは売上ではなく、売上から経費を引いたあとの金額(所得)が20万円を超える場合に確定申告が必要な点です。
例えばせどりなら、仕入れ代や配送料は経費として売上から差し引けます。
売上から経費を引いた結果、残ったお金が年間20万円以下なら確定申告は不要です。
受注型の仕事を受けており、源泉徴収をされている人は、確定申告によって税金の還付を受けられる場合があります。
なお確定申告をすると、副業収入を含めた所得から住民税額が計算されるため、住民税額の通知によって会社に知られることになります。
会社にバレたくない人は、確定申告の際に住民税の納付方法は普通徴収を選びましょう。
普通徴収とは自分で住民税を納付する方法です。
普通徴収を選ぶと給与所得以外の部分、つまり副業分の住民税は自分で納められるため会社にバレにくくなります。
副業所得が20万円以下でも住民税の申告は必要なため、確定申告が不要な人でも会社にバレたくなければ、自治体に普通徴収をしたい旨を申し出ましょう。
副業と確定申告の関係について詳しく知りたい人は、以下の記事も併せてご覧ください。
株・FX・不動産取引で一定以上の利益がある人
資産運用で一定以上の利益を得ている人も、確定申告が必要です。
基本的な考え方は副業収入と同じで、経費を引いて残った利益(所得)が20万円以上なら確定申告をしましょう。
株式投資の場合は少々特殊で、証券会社で開いている口座によっては確定申告が不要なケースがあります。
特定口座(源泉徴収あり)を選択していれば、証券会社側で源泉徴収を行うため確定申告は不要です。
なお株・FX・不動産いずれにおいても、損失が出た場合は確定申告を行った方が良いです。
利益・損失が出た場合は損益通算、赤字が発生した場合は繰越控除が利用できます。
損益通算とは利益と損失を相殺することで、利益が上がっている口座に対する所得税を軽減・還付できる制度です。
損益通算は複数の口座を持っているときでも適用できます。
繰越控除とは、赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越せる制度で、翌年以降黒字化したときの節税対策になります。
繰越控除を利用するときは、翌3年間は取引を行わなくとも確定申告が必要な点に留意しましょう。
公的年金等の収入が400万円を超える人
国民年金や厚生年金、iDeCoなどの公的年金の収入が400万円を超える人は、確定申告が必要です。
仕事をしており、年金以外に年間20万円以上の所得を得ている人も確定申告の対象です。
ただし以下の条件をすべて満たす人は、確定申告の必要はありません。
- 公的年金等の収入が400万円以下
- 収入全額が源泉徴収の対象
- 年金以外の所得が20万円以下
なお医療費控除や生命保険料控除、住宅ローン控除を受けたい人は、確定申告をしましょう。
確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要なケースがあります。
詳細は住んでいる市区町村の役所に問い合わせましょう。
\まだ確定申告に間に合う/